:シンボル・ロゴマーク: |
05.自治体の地域振興策のシンボルマーク <公益のふるさと創り:山形県庄内支庁> |
【企画のポイント】 |
「公益」を真の意味で世の、人の役に立てるようにするために人文、社会、自然科学の人々が学問の領域を超えて平成12年5月に立ち上げたのが日本公益学会です。その後、山形県と市などの主導で東北公益文科大学が平成14年に開校されました。大学のある庄内地方は遠く北前船の時代より多く公益の歴史を残した地でもありました。「公益のふるさと創り」を提唱しながら地域に公益の考え方をさらに広め、地域の人々の互いの交流を高め豊かな地域文化と経済の活性化を促す活動が始まったのです。この長期に渡る地域活動に必要と位置付けられたのが「公益のふるさと創り」のロゴマークです。庄内地方の歴史・文化・風土・過去から現在までの人々の営みを半年以上に渡り精査する機会を得ました。様々な角度からデザインコンセプトを引き出しながらデッサンを重ね、最終段階では地域の子どもたちの選考を経て選ばれたのがこのデザインです。前述しました庄内地方の公益の歴史の中に、黒松の砂防林の植林が人々の生活に多大な貢献をした事実があります。植林される前までは海岸線の砂嵐によって、家で食事中の人々のお茶碗の中にまで砂が舞い込んだそうな。取材を重ねていくうちに、この黒松をデザインから外す理由が見つかりませんでした。それに庄内地方の豊かな稲作田の風景と大自然の息吹き、忘れられないのが人々の温かい思いやりと生活にかける情熱でした。これらをひとつのイメージに育てながら、このマークはやはりこれからの地域を創り上げてくれる今の子ども達の心に届くようにすべきだ、とも覚悟したのでした。最終選考で子どもたちから様々に珠玉のような言葉を沢山頂戴する機会を得ましたが、その中に、それまでの山あり谷ありの制作の苦労を一気に吹き飛ばしてくれる言葉がありました。『このマークを見ていると、なんか、元気が出る。』
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【シンボル・ロゴマークの実例】 |
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「ひとつのシンボルマークは万を語る大切なもの。」 |
【ハル・カンパニーの作り上げるシンボルマークは、愛情表現そのものです】 |
企業・事業体から商品・サービス活動に至るまで、多くのエネルギー(人の思い)をひとつのカタチに象徴化させる「シンボルマーク」の制作には、デザイン的な要素は元よりプロジェクト本来の着地点の見極めが重要になります。志し・目標・フォルムの相愛性が一つになった時「共感のシンボルマーク」は生まれます。 またプロジェクトの過去の遺産を現在につなげ、どのように未来へ向けて継承させて行くのか。あるいは想定マーケットに対するシンボル表現として、どのような理念を持った顔作りがベストなのか。アイデンティティーをどう象徴化させるのかなど、ひとつのシンボルが誕生するまでには、膨大な資料検索とイメージの集散課程が必要になります。多くの人々に愛されることを前提として制作されるシンボル・ロゴマークは、商品企画の設計と多く共通したところがあります。ニーズの探索・検討とシーズの発掘の同時解析から始まりコンセプトの創成、設計、試作、評価に至る全行程はシンボル・ロゴマークの制作とほぼ同じと言えます。シンボルマークの最終検証ではモック工程(試作模型)に似て立体や半立体での試作品が作られます。サインポールやモニュメントの制作などを想定して入念に仕上げられます。 |