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大島美恵子日本公益学会元会長からのメッセージ

【自然科学分野における公益の考え方について】
大島 美恵子

私は「公益」という言葉を、「自分だけではなくて、他人にとっても、社会にとっても、人々を取り巻く環境にとっても、人間の未来や地球にとっても、真によいこととは何かを考えること」という広い概念として解釈しています。行政分野などで、公益に相当する英語をpublic interest(公共の利益)と表現する人も多いのですが、interestという言葉は、お互いに利害関係があることを意味し、利益とか利権を想像させる言葉であるため、私は「公益」という言葉に、哲学用語であるcommon good(共通善)あるいは、public goodということばをあてています。そして公益学を、「真にみんなにとってよいこととは何かを科学的に研究してゆく学問」とひろく定義しています。

現代社会に対する共通認識
公益を研究している東北公益文科大学の教員は、それぞれの専門分野は全く違っていても、現代社会に対する共通認識を持って教育に携わっています。この共通認識をもとに、どのようにすれば人々が現代社会でよりよく生きられるかを考えてゆくことが公益学の目的なのです。
その共通認識を以下にまとめてみましょう。そこにはまず、右肩上がりの経済至上主義を当然の事として受け入れてきた20世紀社会への反省があります。そして、現在日本においては、経済的に豊かな社会が到来し、少子・高齢化社会へ急速に移行していること、物質的な豊かさから心の豊かさが求められるようになってきたこと、市民社会が成熟してきて、人々がお互いの価値観の多様性を認めて、多様な関係を再構築する必要性が生まれてきたこと(多元価値社会の認識の必要性)、そしてまた世界においては、情報交換が発達して経済・文化の急激な均質化(グローバリゼーション)が起こっていることなどです。

自然科学分野における公益と公益学
さて、私が過去40年以上過ごしてきたのは、生命科学の基礎研究分野です。実験生命科学者として研究と教育に携わってきました。従って私が「公益」と「公益学」を考えるときは、自然科学・生命科学の方法論と、科学技術に関する知識をもとに、どのようにすれば現代社会で、人々がよりよく生きてゆけるかを考える事を「公益」として、自然科学・生命科学のあり方を模索しているのです。ですから私にとって、自然科学における公益と公益学の課題は、次の2つに要約されます。
第1に、大量生産・大量消費・大量廃棄が望ましいものであった20世紀の価値観を転換して、持続可能な発展(Sustainable Development)を維持してゆくための自然科学と科学技術のあるべき姿を考えてゆくこと。
第2に、多元価値社会の中での、自然科学の応用(科学技術)のあるべき姿を考え、科学と科学技術の社会的理解を進めてゆくことです。この科学技術の社会的理解を進めることを、最近「科学技術コミュニケーション」と呼ぶようになり、国立科学博物館や東京大学、北海道大学、早稲田大学などで、「科学を易しく語れる人材」の養成コースが発足しました。本学においては開学時から、科学は食わず嫌いという学生をなくして、基本的な問題を理解して自分の意見を持つことのできる人材を教育したいと努力しています。

生命公益学について
私の専門分野である生命科学は、自然科学の中で今世紀前半に最も急激に発展する学問といわれています。そして急速に発展する生命科学は、すぐに医療技術として医学に応用される時代を迎えています。社会という切り口(公益の視点)で充分に検証されるより前にすぐ応用がなされてしまうのです。医療そのものの安全性の検証のみならず、その技術応用が真にひとのためになるのかを多角的な視点で考えてゆかねばなりません。価値観の異なる人と共存・共栄してゆくうえで、限られた予算を医療や介護や福祉にどのように使うのが一番よいのか、生殖医療や延命治療のあるべきすがた、健康を維持増進するための方法などなど公益の視点に立って検証し、考えてゆくべき課題がたくさんあります。経済的に効率がよくてしかも人を幸福にする医療や介護や福祉を考えてゆくのも公益のあり方のひとつです。このような研究分野を私は「生命公益学」と呼んで、自分自身の研究を進めているところです。別のことばで言えば、社会という視点と個人の幸福から生命科学を考えてゆくのが生命公益学なのです。 生命公益学の研究領域は、たとえば、「衣食住など健康な生活にかかわる科学技術とその安全(食品添加物、衣服、建築材料、薬品、化粧品、洗剤)」、「農業畜産などに関連する科学技術とその安全(遺伝子組替え植物、クローン羊、クローン牛、他)」なども含み、大変幅広い領域です。
その中で私自身は、「医療の諸問題(患者のQOL、インフォームド・コンセント、薬剤治検、高齢者のケア、看護、障害者介護)」、「生命の開始時をめぐる諸問題(生殖医療、遺伝子診断、出生前診断、遺伝スクリーニング)」、「生命の終末時や死をめぐる諸問題(死の定義、ホスピス・緩和ケア、病名告知、尊厳死、脳死と臓器移植、安楽死)」などを中心に生命科学のあるべき姿を考えているところです。


・大島美恵子プロフィール
慶応義塾大学工学部卒。米国に留学、Master of Science号取得、帰国後、東京大学大学院医学系第二基礎医学博士課程修了(医博)。北里大学医学部生化学科専任講師を経て、国立国際医療センター研究所代謝疾患研究部長。定年退官後東北公益文科大学副学長、日本公益学会会長などを歴任した。現在、財団法人日本科学協会会長、NPO法人くらしとバイオプラザ21代表、内閣府バイオテクノロジー推進戦略官民会議および国民理解作業部会委員、鶴岡ふるさと観光大使などを務める。東北公益文科大学名誉教授。専門領域: 生物科学、生化学(脂質代謝、脂質生化学)、代謝学、病態代謝学 および 公益学。日本公益学会のシンボルマークはこちら

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